2021年4月18日          byちかぶい

 北村貞子さんから、生前最後に頂いたお月謝と添えられたお手紙です。

亀岡のお稽古にお連れした折のことが書かれています。

 和のお稽古事の月謝は昔は年に一度、今は月ごとに月謝袋に入れて記名して

お渡しします。しかしこの頃は一年を通して使える茶封筒に変わりつつあります。

田舎ではお月謝用ののし袋を扱う文具店が減り、私の教室も然りです。

茶封筒でも、毎月月初めにきれいなお札が時にはお手紙と一緒に入れられた北村さんの

月謝袋は私の宝物であり、教科書でもあります。

そこには日本人の美意識や自国の文化を大切にする心、感謝する心が詰まっていると思うのです。

 今、夏に開催予定の「能の世界を体感しよう!」の協力団体を探すため奔走しています。

コロナ禍で、あっさり断られることもあり、「断る理由が見つかりません!」とまで

仰って応援してくださる団体もありで、一喜一憂する日々です。

 昨年のコロナの始まりから、教室の真価は何なのか考えさせられることが多く

今日まで模索しながら続けています。私はプロの能楽師ではないので(宝生流では教授嘱託という立場)

舞台で人を感動させたりすることはできません。しかし、お稽古を通じて会員の皆さんに

充実した一日一日を過ごすお手伝いができることに喜びを感じています。

 私達の催しの主旨を理解して頂くための努力をしたり、徹底した感染対策をすることは

容易ではありませんが、こんな今だからこそやる価値はあると思っています。

 本来であれば、海外から大勢のお客様が来日し、野村萬斎さんが中心となって華々しい演出で

日本の文化を発信できたはずでした。しかし無観客でのオリンピック開催となり、様々な分野での

芸術活動に制限が入る今、自国のアイデンティティーとは何なのか今一度考えてみる

チャンスと捉えています。

 コロナ禍、そしてコロナ後、私たちは何を発信すべきなのでしょうか?